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★★★オクムラユウスケLIVE情報!!!★★★9月25日(日)『ヨコチンロックフェスティバル2011』@福岡・VooDooLounge■■■11月4~5日『Anus30H』 @広島・mugen5610
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12/23『クリスマスイブイブ』

日本と同じくここサンクリストバル・デ・ラスカサスも
クリスマスで賑わっております。



通行量も普段の2倍以上で、したがって我々の商売「似顔絵&名前書き」も大盛況で
12月23日は過去最高の302ペソを記録!(これまでの最高は193ペソ)
夜中2時まで行列が途絶えず、ヘトヘトに疲れたけど、
宿に帰って目の前に積み上げられた小銭の山を見たら疲れも吹っ飛ぶというものです。


メキシコでは「メリークリスマス!」のことを
「フェリス ナビダッ!」と言うらしく
「メリークリスマス!」ってのは日本人なので
なんとなく気恥ずかしく感じていたのですが
「フェリス ナビダッ!」はあまりにも聞き慣れなさすぎて
案外サラっと言えたりする。



12/24『クリスマスイブ』



この日も夜のお仕事「似顔絵&名前書き」。
似顔絵描いた家族からあったかい飲み物の差し入れをもらった。
フルーツがいっぱい入ったホットフルーツポンチ。通称「ポンチェ」。
身も心もポカポカにあったまる。



我々になついてる野良犬の「ウエロ」も
誰かに真っ赤なリボンを勝手につけられてクリスマス仕様で登場。

仕事も終わって帰ろうとしたら、周辺で物売りしてる先住民の子供達が
集まってきたんで奥さんが一人一人に名前を漢字で書いてあげた。
ささやかながらクリスマスプレゼントってことで。


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12/16(水)
この日、夜のお仕事「似顔絵&名前書き」が大繁盛!!
さっそく、路地裏で売り上げを数えていたら
警察っぽい男が近寄ってきた。
「何してるんだ!?」
鋭い眼光で質問され、執拗に手の平をクンクン匂われた。
売り上げのお金をジャラジャラ出してたせいで
マリファナの売買をしてると勘違いされたのだろう。

「パスポートを見せろ!」
さらに鋭い眼光で詰め寄ってくる警官(っぽいヤツ)。。

偶然、カバンのポケットにパスポートのコピーが入っていたのを
今朝見つけていた奥さん。ナイス!!!
それでもしつこく疑ってくる男。どうもコイツ、怪しい。
「お前はポリスか?」という質問にも何も答えない。
警官っぽい格好してるけど、よく見るとただの黒いジャンパーやんか!!
「あっちに先生と友達がいるから一緒に来て!」と逆に詰め寄ると
「もういいよ、行け」とやっとあきらめた。

宿に帰って改めて本日の売り上げを数えたら・・・

なんと193ペソ!!!!

これまでの最高記録でした。
あぶねー・・・危うく頑張って稼いだ売り上げを巻き上げられるとこだった。

メキシコでは警官じゃなくても、本物の警官でも
《パスポートを所持してない》とか《路上で酒飲んでただろう!》とか
なにかと言いがかりをつけて「黙っておくから金よこせ」って感じで
小遣いを稼いでいる輩がいるらしい。

気を付けましょう。

チャーリー&カルロス(どちらも日本人)と晩ご飯をシェアしてます。
しかしシェアご飯初日に、宿のミキサーを壊してしまった。
「弁償・・・」の二文字が頭に重くのしかかる。
翌日、ダメもとで購入した電気屋にミキサーを持っていく。
しかしここはメキシコ。
保証書もなくレシートだけで通用するものかどうか・・・
ところが、予想外に迅速な対応で
購入からギリギリ35日以内だったため無償で修理してもらえた!!!
ああああぁぁぁ~・・・よかったぁぁぁ~・・・・



奥さんがパン作りをはじめました。
僕がガスオーブンに火を付けると、ガスが溜まりすぎていたのか暴発。
腕毛と髪の毛がチリチリになりました。




メキシコシティで出会ったフジさん&ユッキーさんと再会しました。
フジさんはこれから自転車でグアテマラに行くそうです。
「キューバなんて30分見れば充分だよ。くっだらない」と相変わらずのフジさん。
ブログもおもろいです。→http://fuji99.exblog.jp/

翌日、チャーリーが旅立ちました。1月5日頃、メキシコシティで再会する予定。


宿の宿泊者が増えてきたため「シェアご飯(わかち飯)」は一時中止。
というわけで、奥さんはメキシコの限られた食材を使って頑張っております。


アボガドそぼろ丼!


中華丼と茶碗蒸し!


そして、とんかつ定食!

やればできるもんなんですね~。

最近は鶏肉でハム作ったり・・・




僕はといえば・・・



完全に壊れて宿の片隅で埃かぶってたギターの「ナット」を木で彫っったり、
剥がれ落ちてた「ブリッジ」をボルトとビスでガッチリ固定して修理したり・・・


時間ならたっぷりある長期旅行者。

「毎日がせっかくなんで・・・」とはグアテマラに旅立ったケンちゃんの名言。
12月某日
友人から預かった荷物を郵便局から日本に送ったのですが
500ペソ分の切手を小包全面にびっしり貼られました。



せめて100ペソ切手とか用意しとけよ~。




12月某日
我々が寝泊りしている日本人宿「カサカサ」の向かいに
家族経営の商店があるんですが・・・
ある晩、そこの娘さんと彼氏がケンカをしておりまして
こっそり部屋の窓から覗き見してたら
近所の子供もこっそり覗き見しておりました(笑)。



頭を抱え込む彼氏に怒り狂う娘さん。
浮気か?
情熱的なメキシコ人の側面を垣間見た夜でした。



12月某日
いつものごとくソカロで「似顔絵&名前書き」の営業してたら
何故か我々になついてる野良犬の「ウエロ」が
新しい友達を連れてきて、くつろぎはじめた。





営業妨害ですね。
倒れこむようにその人は「カサカサ」にやってきた。
ここへ来る途中で激しく転んで怪我をしているという。
ずいぶん疲れた様子で、歩くのも、じっとしているのでさえも辛そうだ。

痩せぎすで長身の体を頼りなくソファーにもたらせて
日本人離れした顔立ちで「痛いわぁ」と
関西弁で喋るその人は「ケンさん」と呼ばれていた。

それからケンさんは2、3日ほど「カサカサ」に泊まっていた。
ある朝、姿を見かけないと思ったら、
どうやら荷物をまとめて出て行っちゃったらしい・・・と
宿主のヒデさんが笑いながら話していた。
無銭宿泊されたことより、
「ケンちゃん、あんな体で大丈夫かな~」と心配するヒデさん。

ケンさんの事はよく知らないが、
話を聞く限りではかなり破天荒な人生を送ってきた人らしく、
昔は有名な一流料理人だったけど、麻薬中毒になってしまい何度も捕まったりして、
それでも親しまれやすい性格なんで、いろんな人から慕われ、
さらに女性からもすごくモテるもんだから、
お金にもさほど不自由なく自由奔放に暮らしてきたんだという。

確かに一見近寄りがたい雰囲気はあるけど、不思議と怖い感じはしなかった。

その日の昼過ぎ、我々が買い物から帰ってくると
深刻な顔でヒデさんが電話をしていた。

「ケンちゃんが血を吐いて病院に運ばれたらしい。
心臓が止まってるみたいや・・・」

それからヒデさんたちは病院に向かった。

報告によると生存確率は10%。心臓は動き出したが意識は戻ってないという。

絶望的な状況の中、一夜が明けた。


翌朝、昨日の状況を詳しく聞いた。
吐血して病院に運ばれた時はまだ意識はあったらしいが、
病院内でたらい回しにされた挙句
「薬が無いから薬局行って買ってきてくれ」などと
信じられない事を医者から言われ
4、5時間後に力果てたケンさんは「グラシアス」と一言残して
心臓が止まってしまったという・・・


早朝に再び病院へ行っていたヒデさんが帰ってきた。

「ケンちゃん意識が戻ったでー!」

その場にいた一同が驚いた。
「しかも、生存率が60%まで上がって、だいぶ肝臓がやられてるけど
命に別状はないやろーって!」
飛行機で駆けつけた友人や恋人と話もできているようだった。

みんなの顔に安堵と笑顔が戻った。

夜、病院に泊り込んで付き添うケンさんの友人と恋人に、
ヒデさん達がお弁当を作って、
俺と奥さんとチャーリー(同じ宿の友人)の3人で持っていった。

病院の前で待っているとケンさんの友人がやって来た。

「さっき逝っちまったよ。。」

え!?

「いま、霊安室に運ばれていったよ。。」

あまりにも突然すぎて何も言葉がでなかった。

最後は自分で酸素マスクを剥ぎ取り、しばらくして心臓が停止したという。

トボトボと宿に帰りながら、
命が尽きる直前にほんの少しだけすれ違った「ケンさん」のことを想った。
ずいぶん破天荒な生き方をしてきたみたいだけど、
最後は友人や恋人に見守られながら亡くなったのだ。
しかも、一度死の淵から生き返って、ちゃんと別れの挨拶をするかのように。
それはまるで、良くも悪くもこれまで生きてきた物凄く密度の濃い人生が
決して間違いではなかったんだと、最後の最後に言ってくれてるみたいで
不謹慎かもしれないけど、少し胸が熱くなった。

「ロックスターみたいだなぁ」とチャーリーが言った。

俺もそう思った。

きっと「ケンさん」の数々の伝説はこれからも人から人へ語り継がれるのだろう。

そういえば人は2度死ぬって誰かが言ってた。
1度目は肉体の死。
2度目は魂の死。
誰からも忘れ去られてしまった時、人は本当の「死」を迎えるんだそうだ。

ロックスターなら永遠に生き続けられる。


ご冥福をお祈りいたします。



「ケンさん」の人柄や伝説が垣間見れる本があります。

『メキシコホテル~ペンションアミーゴの旅人たち』
この本の中の「やさしい前科者」という章です。
いいエピソードがたくさん詰まってます。

サンクリストバル・デ・ラスカサスの先住民族の村「チャムラ」。



サンクリ~に到着した日に、一度訪れたが印象はあまり良くなかった。
あまりにも観光地化された村。写真を撮ろうとすると「100ペソよ~」とか
「写真撮ってもいいわよー、そのかわり10ペソちょーだい」など
貧しい村なんだろうけど、のどかな雰囲気ではないガツガツした様子に
ちょっとがっかりしてしまった。

そんなチャムラの先住民族の人達が毎晩ソカロに店を出す。
我々が「似顔絵&名前書き」稼業をしている場所だ。
観光客にはシビアなチャムラの方々も、同業者(?)にはとてもフレンドリーで
昨夜はすっかり顔見知りになった村の女性たちと
帰る間際までワイワイ騒いでおりました。



とてもユーモアがあり、明るく、そして働き者のチャムラの方々。

最初は印象があまりよくなかったけども
たしかに失礼な観光客やマナーを守らない旅行者はたくさんいるし
お金も持ってるし、何より彼女たちは生活がかかっている。
先住民族の人達はガツガツしているのではなく、伝統や文化を守りつつ、
都市化する生活環境と(決して上手とはいえない不器用な方法で)
向き合って暮らしているのかもしれない。

なにはともあれ、旅行者ではなかなか知り合うことのないチャムラの人達と
こうして楽しい夜を過ごせてよかった。誤解も解けたしね。
ただ、もっとスペイン語が話せればいいんだけどねー。
言葉の壁。三十過ぎの手習い。
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